2006年2月 「万年執事が司祭に」 久しぶりのサンパウロ通信となった。東京教区の故藤井司祭が司祭按手を受けられる前、確か十数年執事をなさったと聞いた記憶があるが、私たちの教区ではそれを遥かに上回る期間執事をなさっておられる方がおられる。1968年ブラジル聖公会神学大学卒業で、その年の暮れに執事按手を受けておられるので、37年間自らの考えで執事職を神からの召しとされてきた。神学院の同級生には現ブラジル聖公会首座主教のオルランド主教や元首座主教オラヴォ主教がおられる。 彼は日本でも知人が多かった故弓場繁司祭の長男弓場巌執事である。父君が生涯の半分を牧会されたサンパウロの聖ヨハネ教会にあって、牧師補として30年近く主任司祭を補佐してこられた。週日は社会福祉士と勤務され、週末は牧師補として勤務されてきた。歴代の教区主教からの司祭按手の薦めにも頑として応ぜず、執事を天職と考えてこられた。 一方、サンパウロ教区では日系聖職の不足から、この数年聖ヨハネ教会では日本から聖職を招聘して牧会に当たって頂いている。岡野主教が2年ご奉仕くださり、現在はフランシスコ会の佐藤儀輔神父がご奉仕くださっている。 しかし、佐藤神父も2年の任期が本年末で終わり、北米に帰国される。それを知った弓場執事は先月末、私をお訪ねくださり、司祭按手を志願したい旨を話された。もしろん、願ってもない事でその場で司祭按手を承諾した。本人の心変わりは十数人に減ってしました日本語会衆の牧会を志された事によるものと伺って、その召命を心から神に感謝した。残された余生を老齢化した小さい聖ヨハネ教会の日本語会衆に捧げたいというのが本人の決心である。法憲法規上の手続きを終わり、来る3月11日聖ヨハネ教会で神学校同級生の首座主教を説教者に向かえ、神許したまわば司祭按手が執り行われる事になった。 司祭按手後、弓場夫妻は日本聖公会神学院で、日本語と日本の教会事情勉学のため、今年4月から6ヶ月勉学される予定である。感謝! サンパウロ 伊東 |