サンパウロ通信


2005年2月 「ブラジル聖公会レシーフェ教区ロビンソン主教の職務執行一時停止」

ブラジル聖公会首座主教オルランド・オリヴェイラ師は2月18日、ブラジル聖公会主教会の答申及び管区審判廷の決定を受け、レシーフェ教区主教 Robinson Calvalcanti師の職務一時停止をブラジル聖公会各教区、及びブラジル聖公会以外の代表者に通知した。

懲戒事由は

  1. ブラジル聖公会法憲法規に違反した(ブラジル聖公会への帰属を否定。離脱を公表したこと)。
  2. 主教按手式にて約束したことに違反した(教会の信仰・一致・規律を擁護することを放棄、同教区の4割の聖職信徒が教区主教への従順を拒否した事実及び「主教団のうちにあって、その務めを分かち合う事」の誓約の違反)。
  3. 不道徳な行為があったこと。

ここまでは単なるブラジル聖公会の内部問題であるが、この背後には「同性愛問題」を巡って、ロビンソン主教が同教区の全聖職に対して、「同性愛聖職は一切、同教区の聖職となることは出来ず、また同性愛は聖書の教えに反する恥ずべき行為であることを教え信ずる」、旨の誓約書を要求した。

これに対し、同師を除くブラジル聖公会主教会全員(同主教の補佐主教を含む)が意義を申したてたことを不服として、今後ブラジル聖公会に帰属することを否定する旨、公表し、他の管区への帰属を公に求めた。

また、同師はこの主教会の決定を「同性愛者を糾弾する聖公会福音主義派への迫害」として、SAMを含む世界の聖公会福音派への助力を求めた。

これに対して、Concerned Global South Primatesと称するアフリカ諸国の聖公会首座主教を中心とする主教団は連名で、本年1月25日、下記のレシーフェ宣言を採択、ブラジル聖公会への介入を示唆した。

当然のことながら本件は今月末の聖公会首座主教会議の議題の一つとして、取り上げられる予定であるが、このような管区の自主性への「同性愛問題」に託けた他管区からの介入、もしくは介入の示唆は、当然のことながらブラジル聖公会にとって受けがたいのみならず、全聖公会にとって大きな問題となることは間違いないであろう。

サンパウロ 伊東
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