サンパウロ通信


2003年10月 「大聖堂とカトリック」

 別に私のものでないので(^^)、自慢しても許されると思うが、私たちの教区の大聖堂は美しい( www.catedral-anglicana.org.br )。住宅街に大きな庭園と駐車場を併せ持つ大聖堂は、「こんな教会で結婚したい」と若い人が思うようにな佇まいを見せている。 したがって、金、土曜日は1年前から予約が入っている。聖公会員だけではなく、広くCONIC(ブラジルのNCC)のメンバー教会にも解放されている。面白い事にあまたある美しいローマ教会会堂を差し置いて、ローマ教会のかなりの数のカップルも自前の神父同伴で私たちの大聖堂を利用されている。

 私たちの大聖堂では、日曜日の夜の礼拝(ブラジルでは各派とも日曜日の夜が主礼拝となる教会が多い)には300人近くの会衆が集うが、ほとんどがこの大聖堂で結婚式を挙げたカップルである。教会学校にに集う子供たちも殆どがそのカップルの子弟である。その意味で結婚式は伝道面でも大切な役割を果たしている。

 この大聖堂に最近ちょっとした異変が生じた。ローマ教会のサンパウロ大司教区の大司教クラウジオ枢機卿が、聖公会の同性愛主教問題に関連して(そうとしか想像出来ない)、ローマ教会員の他教派会堂での結婚式、および他教派員がローマ教会会堂を使用する事を禁止された。

 これまでは相互乗り入れが頻繁であったし、新郎・新婦のいずれかがローマ教会員でもう一方がプロテスタントである場合、神父と牧師がどちらかの会堂で共同で司式するケースも珍しくなかった。今後、このようなケースはどう対処してよいのか、国民の70%がローマ教会員で、15%がプロテスタントという国では大問題となりそうである。 もちろん、本件はサンパウロ大司教区の通達であり、他の司教区の情報はまだないが、いずれにせよ、仮に地域的なものであったとしても、このローマ教会のエキュメニズムの後退は憂うべき問題と懸念される。

 ここまで書いたとき、北米聖公会フロリダ教区の主教按手がローマ教会会堂でなされる予定であったが、今回のAP通信のFrank Griswold総裁主教の同性愛問題に関連したインタビユーを理由に、間際になってローマ教会から断ってきたというニュースが入ってきた。偶然の一致なのか、それとも背後にはバチカンからのなんらかの指示がでたのであろうか?