2003年4月 「主教選挙のあり方」−2
つい先日ブラジル聖公会でも初めての、主教公募方式をニュースとしてお伝えいたしましたが、その後の状況を続報としてお知らせいたします。
ブラジリア教区では締切日までに、5名の司祭が応募されました。
管区総主事をはじめに、サンパウロ教区から1名、南の2教区から3名が応募され、その内1名の司祭は女性でした。この5名に推薦順序が常置委員会で付けられ、臨時総会に提出されます。もちろん、前にもお書きいたしましたように、このリスト以外の名前を主教選挙に際し、推薦することは当然ながら可能です。
もっと驚いたことは今週で公募が締め切られる新設のパラナ州教区には、現職の他教区主教1名と異なる教区の補佐主教1名,計2名の主教が応募されたことでした。南の教区の補佐主教は前々から噂されていたので驚きませんでしたが、現職の教区主教が他の教区に応募されたことはさすがに、驚きました。他に1名の司祭が応募され、5月初め、この3名に推薦順序が付けられ、総会に提出されます。
この背後にはブラジル聖公会の主教はこれまで慣習として、定年まで通常、教区主教を勤めるため、仮に40台初めの主教が選ばれた場合、30年間、教区主教を勤めることになります(ブラジリア教区主教の有力候補者である管区総主事は現在40歳)。仮に50台でも20年となり、実社会では考えられない管理職者(?)の長期政権となります。当然、長期政権(?)に伴う多くのネガチブな面が現れてくることも指摘されてきました。
このため、ブラジル聖公会では一つの教区を10年程度の任期で終了し、残りの期間を他教区主教として勤務できるシステム(?)の開発が真剣に検討されています。今回の公募方式に現職の2主教が応募されたことも、そのような波の中で捕らえる事も可能かとも思います。今回、教区主教を辞任されたブラジリア主教は、12年間、教区主教を勤められ、現在60歳で定年まで約10年を残しての教区主教辞任でした。今後は教区を持たない伝道主教(Missionary Bishop)として、定年まで活動されることになっています。
いずれにせよ、パラナ教区の主教選挙は激戦となりそうです。 |