2003年4月 「主教選挙のあり方」
丁度、昨年4月6日のサンパウロ教区の臨時教区総会で、はからずしも主教に選ばれました。そして1年、主教按手・着座からも8ヶ月が過ぎました。あっというまの1年であり、8ヶ月でした。人には急に老けましたね、と言われていますが、傲慢と自分でも思うし、皆さんから顰蹙をかう事を承知で申し上げれば、実社会でそれ以上の荒波に揉まれ、命を磨り減らして来た者には、主教職がそれほど激務とは思っていません。しかし、主教職を本当に祈りの中で正しく遂行しているだろうか、また、なしたことが直ぐには結果を生まず、これでいいのだろうか、という疑問や、出来る限り「合議制でやろう」との約束が専制独断になっているのでは、という後悔は日々感じてはおります。
いつも送っていただいている「東京教区時報第858号」に先だって開催された教区会で、「主教選挙の合理的なあり方を東京教区として組織的に検討する機関を設置する案」が可決された、と報道されていました。
国も文化も異なるブラジルの例が、さほど参考となるとは思えませんが、現在進行中のブラジル聖公会の2教区の主教選挙方法は、大げさかもしれませんがブラジル聖公会でも画期的な方法であるので、あくまでニュースとしてシェアーいたしたいと思います。
ブラジリア教区と今年の総会で新設が承認予定のパラナ教区では、その主教選挙に際して、いずれも
1)教区内の全ての教会に「求める主教像」の提出を依頼。常置委員会がそれをまとめ、ブラジル聖公会の全ての聖職にその「求める主教像」を送付。もし、その「条件に合う人」がいれば、履歴書と(A)宣教ビジョン(B)仕事の合議制の意見。チームワークで働きえるか。(C)牧会論(D)家族論(E)礼拝・教義等の聖公会の多様性を認容できるか(F)教会の社会活動について(G)神より委ねられた主教職を遂行するに際し、信徒・聖職を心から同僚として受け入れられるか(H)聖職・信徒奉事者等の働き人の増大に関するプラン(I)主教職への抱負(この内容は各教区で異なり、この例はパラナ教区の例)、についてのそれぞれの小論文を該当教区の常置委員会に任意提出。
2)常置委員会がその中から複数の候補者を主教選挙を行う臨時総会に推薦。
という方式が取られています。
こうした完全な応募方式はおそらく、日本の文化には馴染まないとは思いますが、ブラジルでは続々とまではいかないが、2教区には既に複数の応募者の書類が寄せられている(選挙は5月)、と漏れ聞いています。当然、応募者以外にも、選挙で応募しなかった司祭を推薦選挙することは出来る事はいうまでもありません。
5月の選挙で応募者が選ばれるか、それとも従来どおりの推薦された聖職が主教に選ばれるか、あらためて結果をご報告申し上げたい、と思っております。
|