ラテンアメリカはマンゴの季節となった。
春から夏に掛けての代表的な果物はマンゴである。
近年、日本でも東南アジア産のマンゴが売られているそうであるが、ブラジルのマンゴは特別に美味しい様に思う。もっとも食べ比べたわけでないので、単なるお国自慢の域を脱しない表現ではあるが・・・
ブラジルに来た頃はマンゴはエスパーダ(刀)とポ語で言う品種が主で、齧り付くと歯に繊維が挟まったが、いつの頃からかコラソンデボイ(牛の心臓)というものが出始め、今は品種改良が進み、アーデン、エドワールド、ボルボンという繊維のない甘口の品種が主となった。この種のものでも産地では一箱1ドル程度でしか出荷出来ず、人を雇って収穫すると逆鞘にするなることもある、という話であった。サンパウロの朝市のマンゴに比べて今頃はもう既に暑い奥地(夜は何も掛けず窓を開けたまま寝た)のマンゴはそれは美味しかった。やはり、サンパウロ近郊物と比べて格段に甘みが強い。しかし、700−800キロの奥地から運賃を掛けて出荷するわけにはいかないのか、奥地のものはサンパウロではあまり出回らないように思う。
そうすると、やはり暑い奥地で味わわなければ本当に美味いマンゴは食べられないのかもしれない。アンドラジーナやミランドポリスというサンパウロから600キロの町の近くのハイウエイー沿いにはマンゴの木が沢山植えられており、枝が撓るほど実をつけていた。サンパウロから来たのであろう旅行者のみが車を止めてマンゴをもいでいた。奥地の暑さにまいりながら、飛行機でサンパウロに降り立つと、なんと13度で震え上がった。やはり、ブラジルはでかい国である。
サンパウロ 伊東
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