ポルトアレグレから300キロ奥地に入ったところに、サンタ・マリア市がある。 今年初め最初に訪ねた時、同僚の車に同乗しおしゃべりに話を咲かせ、あまり景色にも注意を払わなかったが、今回はバス(飛行機は乗客が少なくなり、昨年から飛んでいない)での4時間の旅となったので、車窓からの景色を堪能できた。 ポルトアレグレ市を離れて暫くすると、景色はなんだかブラジルらしくない、こじんまりとした景色となる。同じ会議に来た北伯の同僚はまるで外国に来たようだ、と感想を漏らしていたが、確かに北伯ともミナスやパラナとも違う景色である。数年前、ある団体と一緒にローマから小型借りきりバスでイタリアを横断して、ドイツまで行ってローマに戻ったことがあるが、その車窓から眺めたイタリアの田舎の景色と確かに似ている。イタリア移民が開拓したサンタマリア地区は確かに、イタリア移民には何の抵抗もなく移住できた環境が当初からあったのか、それとも、年月をかけてこのような自然に変化さしたのであろうか。 同じ南伯でもグラマード地区のようにドイツ移民の勢力の強い所はまたまたドイツの自然に似ていると言われる。やはり、移住者は故郷と似た土地に惹かれて、その開拓地を定めたのであろうか? サンタマリアに近づくと、一面の水田となる。丁度田植えが終わった頃で水田には青々と稲の苗が風に吹かれていた。この風景などは日本のどこかと言えば、そのまま通ずるような懐かしい風景である。少々水田が日本と比べて大きいが全く同じ風景であることに驚かされる。 この地ではカエテ米と言われる日本米も栽培されている。北米からの輸入米を除けば、ブラジルの日系人が食する日本米はこの地の産であるそうである。 数回、郊外の見栄えはしないが、質素で温かいイタリア料理店に連れて行っていただいたが、鶏のから揚げ、スバゲッチ、ポレンカ(玉蜀黍の粉を揚げた長方形の団子)、お粥状の焼き飯、ソーセイジ等々、素晴らしい味であった。サンパウロから比べると驚くほど安く、ピンガもワインも飲み放題であった。治安も良く定年後住みたいような土地であった。 サンパウロ 伊東 |